「日米同盟深化」「新たな高み」とは?・・・国内的な議論を飛ばしてもよいのか?/日々雑感:よくわからないこと?!

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「日米同盟深化」「新たな高み」とは?・・・国内的な議論を飛ばしてもよいのか?

5日の新聞に、日米両政府が第三国を加えた「日米プラス1」の枠組みで、アジア太平洋地域の安全保障問題に取り組む姿勢を強めている、という記事が掲載されている。http://www.nikkei.com/access/article/g=9695999693819481E2E6E2E2E08DE2E6E2E7E0E2E3E08297EAE2E2E2

先の野田首相とオバマ大統領のホワイトハウスで行われた首脳会談で、アジア太平洋地域の安全保障における日本の役割強化を誓ったばかりだが、さらにそれを加速する動きだ。

先の首脳会談後の日米共同声明で野田首相は、アジア太平洋地域での日米防衛協力強化によって「日米同盟は新たな高みに達した」と語った。その「高み」とはいったい何なのだろうか?米軍との海外での共同訓練は専守防衛の自衛隊の定義から逸脱しないの?武器扱いされる巡視船をフィリピンにODA供与して大丈夫なのか?それらは憲法第9条の問題に係るような問題ではないのだろうか?国会での議論も何も行われていない。それをいきなり日米首脳会談で合意というのは少々乱暴ではないか?民主党政権になってからの鳩山氏、菅氏もほとんど思いつきといわれるような発言を国内での説明を一切することなくして(海外に向けて)発表してしまうということをやってきたが、野田首相もその意味では全く同じだ。

「日米同盟の深化」を目指しているというのだが、このままでは米国の言うことにただただ追随しているだけではないのか?アジア太平洋地域での影響力を拡大しようとしている米国の言いなりになっているだけではないのか?

今回の「日米プラス1」の枠組みにしても「中国けん制」が目的だと言うが、これが日本の利益になるのだろうか?日本側は米国との関係を強化すれば大丈夫という考えなのだろう。日本からすると米国は「11」の関係だが、米国からすれば日本は「11」ではない。日米首脳会談の直後に中国との戦略会議が行われたように、米国にとっては最早中国との関係の方は重要だろう。その中国との対話を進めるために、日本が利用されているだけではないのか?

石原都知事の尖閣諸島をめぐる発言にしても、日本と中国の関係を刺激するために米国が仕組んだものではないのか?都知事が海外に出て、その発言が注目されるときに、ヘリテージ財団で行われた会見で発言されたものだ。本当に日本「国」のことを考えるのであれば、暗黙裡に助言をして国が購入できるようにすればよいだけだ。中国側にしても、あのような形で発言をされると、反応をせざるを得ない。

野田首相は、先日の日米首脳会談で自身が発言したことの趣旨を本当にしっかりと理解しているのだろうか?また、関係閣僚はどうだろうか?そのうちの1人である防衛大臣は先に問責決議がなされているので状況は推して知るべしか?それにしても国会も含め国内での議論や説明が全くなされるにこのようになし崩し的に物事が進んでいくことは非常に問題だろう。このような事は以前なかっただろうか?

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