「嵐のPRビデオ」は「日本のイメージをおとしめる」ためのもの?:外国人記者が痛烈なコメント/日々雑感:よくわからないこと?!

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「嵐のPRビデオ」は「日本のイメージをおとしめる」ためのもの?:外国人記者が痛烈なコメント

「嵐がニャーと鳴く国に外国人は来たがらない」という記事がニューズウィーク(824日号)に掲載されている。

レジス・アルノ-というフランス人の記者の記事だが、「日本がここまで世界の笑いものになる例がほかにあるだろうか」と手厳しい。

これは何かというと、観光庁が外国人に日本観光を呼びかけるために作成したPRビデオに関するコメントだ。このビデオでは「人気グループの嵐」が登場して、それぞれが日本各地を訪問して、招き猫のまねをして「ニャー」と鳴きながらポーズをとるものだ。このPRビデオは世界133か国の在外公館、空港、飛行機、駅のモニターなどで流されているそうだ。

しかし、アルノー氏は、「日本のイメージをおとしめるために北朝鮮のスパイがたくらんだのかと思うほど」と痛烈に批判をしている。内容は、日本を紹介するという目的などこかに行ってしまって、嵐のPRビデオになってしまっているのに、ビデオが流される133か国のうち、129か国では嵐はほとんど知られていない。また、肝心の内容だが、日本の良いところがまるで紹介されていない。映像は嵐のアップが中心で、「沖縄も太陽は見えず、砂浜はぬかるみのよう。北海道は食堂が、鹿児島は通りが映るだけ」。「日本は美しくて洗練されたモダンな国だと外国人に思わせるような、美しい映像はない」。アルノー氏は、「日本はなぜ、「最高の顔」で自分を売り込もうとしないのか。洗練された職人や建築家、知識人、画家、料理人」などを使ったらよいのにとして、「素晴らしい国を自らばかにする。そして、その現実を誰も理解していない。」としている。まだまだアルノー氏の批判は続くのだが、さすがに日本人としてはつらくなってくる。しかし、この記事を見て、私も早速このPRビデオを見たが、なるほどと思う部分は多々あった。

今日ここでコメントしたいのは、アルノー氏が「日本のメディアが何か批判すると思っていたが、とんでもなかった」としていることで、情報番組『ミネヤ屋』では批判するどころか、司会者が「あらためて日本はいいなと思ったと言い、共演者たちも同意した」としている部分です。多額の税金を使って今回のようなPRビデオを制作することは論外ですが、一般的に言って、現在のテレビなどの番組制作や情報の流し方はこのPRビデオを制作するのと全く同じやり方ではないでしょうか?目的が、観光庁のPRビデオであれば、日本を紹介することなのですが、テレビ番組などでは、タレントの安っぽいギャグを流すことが目的のようになってしまってはいないでしょうか?スポーツ番組でも、競技そっちのけで、ゲスト(?)のタレントがギャグを言ったりしていることもよく見られます。現在、世界陸上が放送されていますが、司会者が妙にはしゃぎすぎることで、何か競技を見ることに集中できないことが多々あります。テレビ放送を行うことで、その競技が多くの人に知られるようになることはよいとは思いますが、何か安っぽいお笑い番組のようになってしまっては困ります。テレビ番組に全般にしても、どの局でも同じような番組になってしまっていますし、出演者もどこも同じような顔ぶれです。番組の内容を見せるというよりも、出ているタレントを見せているようなものです。まるで嵐のPRビデオと同じです。どこの局でも同じような番組を流すのであれば、テレビ局の数はもっと少なくてもいいでしょう。局の数を減らして空いた分を新しく個性的な番組を流したいというところにやらせたらどうでしょうか?現在、テレビ局の電波料はただみたいなものですが(規制業種で参入障壁があるにもかかわらず、これはどうでしょうか?)、空いた分をオークションで売り出せば、政府にも多額の収入が入るでしょう。消費税も含め、新政権は増税まっしぐらのようですが、まだまだやることはあるはずです。

 話が少々ずれましたが、アルノー氏が強調するように、日本には世界に誇れるような素晴らしいもの・素晴らしい人たちがたくさんいるのですから、海外にも、そしてもちろん国内でも、そのような人たちがどんどん紹介されるようになるようになったらと思います。これは何も、テレビだけの話ではありません、誰でもそれぞれ素晴らしいものを持っているはずですから、私たちの日常生活の場(地域社会、会社、家庭等々)で、それぞれ個々人が元気になるようなあり方が、必要なのでは・・・

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