2011年10月

お奨めのフレンチ(3):今、最も旬な「オギノ」

今、最も勢いがあるフレンチの一つが池尻大橋の「オギノ」です。代々木の「キノシタ」などで修行された荻野シェフのお店で、予約が取りにくい店の一つになってしまいました。この店の魅力は、何と言ってもその料理のダイナミックさです。とにかくアラカルトの一品のボリュームが半端じゃない。従って、殆どの料理にハーフポーションがあります。さらに、ソースがとてもしっかりしている。少量多皿のフレンチに慣れている人に、是非トライしていただきたい。これぞフレンチ、と実感できるはずです。コースを選ぶ人が多いようですが、是非アラカルトを試してください。前菜、肉類はメニューの種類が多いので、自分の好きな料理が見つかるはずです。特に、秋から冬はジビエの品揃えが充実しています。ジビエの取り扱い数は、No.1とか。9月にはスコットランドの雷鳥を、10月はフランスのヤマウズラをフルポーションでいただきましたが、がっつり完食しました。来月も楽しみです。この店の値付けは非常に良心的で、年々庶民には手が届きにくくなっているジビエが非常にリーズナブルな料金でいただけるのは、嬉しい限りです。デザートも充実しており、しかも全品600円で頑張っています。

シェフの奥様を含めてスタッフもとても感じがよく、気が利きます。この店の唯一の難点は予約が取りづらいこと。毎月第一営業日から翌々月の予約を受け付けますが、なかなか電話が通じない状況です。ここで秘策をお教えしましょう。電話は営業時間の18時以降にかけると繋がりやすいのです。営業時間の予約電話は避けるのが礼儀ですが、このお店は営業時間の電話でも快く予約に応じてくれます。

お奨めのフレンチ(2):ジビエが美味しい「ア・ニュ」

 今回もフランス料理店のご紹介です。2年前に開業した広尾の「ア・ニュルトゥルヴェ・ヴー」です。このお店の定番は、同じ食材を異なった調理法で供する「ムニュ ドゥ コンパレゾン(比較)」ですが、私のお奨めはアラカルト、特に肉料理です。中でも秋から冬にかけて、毎日2種類は用意されているジビエ(野生の鳥獣類)を是非、試してみてください。今やジビエは都内のフレンチでは珍しくなくなりましたが、このお店は野鳥などの定番のジビエに加えて、クマなど、貴重な肉が楽しめます。先日、私がいただいたコグマのローストは、肉質が極めて良い状態で、鹿とも仔羊とも違う上品な味わいでした。私は食べたことはありませんが、馬肉に近いというお客様もいるようです。赤身が主体ですが、適度に脂身があり、柔らか過ぎず、硬過ぎず、食感が絶妙でした。アンチョビとケッパーのソースとの相性も抜群でした。

 ジビエと並んでお奨めは、内臓料理です。基本的にアラカルトには毎日一品用意されています。ジビエのない季節には、お奨めです。以前いただいた子羊の心臓は、上等な赤身肉のような食感で、絶品でした。魚料理には下野シェフの出身地の山口の食材がよく使われます。また、ワイン選びが苦手な人には、料理毎にワインを専任ソムリエがグラスで合わせてくれるので、安心です。お得なコースがあるランチの予約は大変なようですが、ディナーは比較的、予約は取り易いようです。

お奨めのフレンチ(1):「カンテサンス」と「ハジメ」

お奨め天ぷら屋の紹介はいったんお休みして、今、最も旬のフランス料理店2店をご紹介します。東京・白金の「カンテサンス」と大阪・江戸堀の「ハジメ」です。いずれもミシュランの三ツ星評価のフランス料理店で、多少なりともグルメを自負している方であれば、既にご存知かと思われる超有名店、予約困難の店です。それぞれの店のシェフの経歴、料理構成、予約方法などは多くの料理雑誌、ガイドブック、ホームページに詳細に紹介されているのでここでは割愛し、この2店のどこがすごいかをコメントすることにします。

この2店を決定付けているのは、シェフの感性、創造力です。カンテサンスの岸田周三シェフ、ハジメの米田肇シェフは、いずれもフランスの有名料理店で修業されていますが、彼らの店は決して修行先のコピーではありません。彼らが使う食材=素材の多くは、我々が一度は口にしたことがあるものです。ただ、同じ素材でも彼らが使うのは、最もおいしい季節の、最高の品質のもので、生産地、生産者を厳選します。特にカンテサンスは日本の素材に並々ならぬこだわりを持っています。素材の質の高さは、大地の力を吸収する野菜を使った料理で実感できます。卓越した素材選びとともに彼らの料理を特徴づけるのは火入れです。時間を惜しまず、素材が再度生命を宿すように丁寧に火を入れ、ハジメでは肉に関しては、さらに香りを引き立てるために、炭火の強火を用います。このようにして生き返った素材に、まさに神がかった感性で作られたソースが合せられます。これらの料理を口に入れることで素材の生命力を吸収するとともに、素材に対して敬意を払うことになるのです。そのためにも、最高の状態で供される料理をできるだけ速やかに食することをお奨めします。デザートにも魔法がかかっており、一般のフランス料理店のものとは明らかに一線を画します。

いずれの店も日本でも有数の予約困難店ですが、ひとたび訪れれば、まさに至福の時を過ごせるとともに、今まで経験したフランス料理とのギャップを実感することでしょう。

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