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お奨めの天ぷら屋(4): 『いわ井』

天ぷらを心から愛する人にお奨めの店が銀座の「天冨良いわ井」です。銀座6丁目の路地裏にひっそりとある店です。ご主人は天一ご出身ですが、研鑚を重ねられて、天一色は殆ど感じません。食材の持ち味が最大限に楽しめる絶妙な揚げ方です。天一出身の天ぷら屋に必ずと言っていいほど置いてあるカレー粉は、この店にはありません。カレー粉は、きすなど、一部の魚とは相性がよいと思いますが、一般的には天ぷら本来の風味を消してしまうので、本来、天ぷら屋にはミスマッチかもしれません。ご主人の食材へのこだわりは極めて強く、基本的に野菜は天然ものしか使いません。春の山菜も天然にこだわり、ハウス栽培だと3月には出回る、たらの芽は、5月にようやく出荷される東北の天然ものしか使いません。たらの芽ほど、ハウス栽培と天然ものが異なる野菜はないでしょう。初夏に供される栃木の農家から仕入れる紫のアスパラガスは香りが強く、天ぷらとの相性は抜群です。魚貝類も充実しており、馴染の客の提案で始めたという、あさりのかき揚げは絶品です。10月から出される真牡蠣は濃厚な味わいで、牡蠣はフライより天ぷらの方が美味いと実感します。夏の岩牡蠣は使わず、真牡蠣で勝負、というのもご主人のこだわりです。また、コースの途中に供されるまぐろのづけは、箸休め的な感覚で味わえます。そして、このお店の一番のお奨めは、締めの天茶です。ご主人が懇意にしている銀座のお鮨屋さんで使う海苔が出汁のなかにたっぷり入っており、かき揚げとの相性のよさに驚かされます。天丼もありますが、このお店に限っては断然、天茶がお奨めです。穏やかな接客をされる奥様とともに、居心地抜群のお店です。

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