民主・大久保政調副会長:外貨準備では人民元など新興国通貨でも運用を:米国との関係は大丈夫か?/日々雑感:よくわからないこと?!

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民主・大久保政調副会長:外貨準備では人民元など新興国通貨でも運用を:米国との関係は大丈夫か?

民主党の大久保勉政調副会長が、日本の外貨準備の運用先について、中国・人民元や韓国ウォンなど新興国通貨にも拡大すべきだとの考えを示した、とのこと。「外貨準備の運用先をドルやユーロだけでなく、日本の貿易相手国である中国や韓国、タイなどの国債で運用すべきで・・・貿易の実態に応じてアジア通貨を持つのは自然だ」と語った、という。http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a85I0_PKTFcA

大久保氏といえば、京大経済学部卒で、東京銀行、モルガン・スタンレー証券で勤務しており、一般的には経済の専門家のはずだ。言っていることは、一見、さもさもらしい内容だが、多少、気になるところがある。

貿易実態に応じてというのだが、新興国通貨は、決済通貨としては一般的には認めれらていない、ましてや中国元はまだ管理通貨だ。

理想論ではなく、現実的な対応についての発言と思われるが、本来であれば、外貨準備の在り方そのものについても考えてほしい。現状、日本の外貨準備はそのほとんどが米ドルで、ユーロもあってないに等しい。それは、日本の為替政策は、対米ドルを中心に行われてきたからで、その結果として、日本は長きにわたって米国国債の最大の購入者だった。

橋本元総理が、「米国国債を売りたいという誘惑に駆られることがある」と発言して大問題になったことがあるが、いままでは外貨準備の運用そのものが、対米政策そのものであったはずだ。経済の教科書のように「貿易云々」というのであれば、これほど巨額の外貨準備など必要ない。

また、為替の市場介入は既に数十年行ってきているが、結果論でいえば、ほとんど効果がない。その結果として、外為特会は40%の含み損を抱えている。金額にすると40兆円を超えるような金額だ。日本の外貨準備は政府短期証券を発行して調達したもの、つまり借金をして調達したもの、であるが、それをただでさえリスクの高い為替の市場介入に使っている。その上、更に、リスクを取る必要があるのだろうか?

今回の発言が、単なるパフォーマンスでなく、本当の意味で、米国からの自立を考えていっているのであれば良いが・・・

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