外債購入50兆円、円高対策基金を: ちぐはぐな円高対策/日々雑感:よくわからないこと?!

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外債購入50兆円、円高対策基金を: ちぐはぐな円高対策

政府が28日開いた国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)で、民間議員の岩田一政日本経済研究センター理事長が、政府・日銀が海外の国債を購入できる50兆円規模の基金を創設すべきだと提言した。外債購入に伴う円売りで過度な円高を防ぐとともに、財政不安に直面する欧州の国債を買い支え、市場の安定につながるとした。http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E0EAE2E0878DE0EAE3E2E0E2E3E39797E0E2E2E2;av=ALL

よくわからないのだが、外為特会というものがありながら、なぜまたここで新しい基金を作らなければならないのだろうか?また、外債を購入することで、円高の流れを変えることが出来るのだろうか?また、円高を阻止したいのか?あるいは(欧州の国債を買うことによる)市場の安定が目的なのか?よくわからない。

外為特会を通じての市場介入の効果が全くないことはすでに明らかになっている。そしてまた、現在のようにじりじりと円高になるようなケースでは、「過度な変動」ということにもならず、市場介入に対する他国の理解は得られないだろう。だから、全く別の器を作って、外債購入をやろうというのだろうか?さらにわからないのは、(a)ただ単に外債を購入することで円高を阻止できるのか?(今までの市場介入は機能していないが…)(b)50兆円だけで足りるのか?(c)為替損が出たらどうするのか?(外為特会は既に40兆円余りの含み損を抱えている)(d)資金はどうやって調達するのか?(外為特会は市場から調達している(要は謝金で賄っている))これから更に国の謝金を50兆円増やすのか?

また、先に政府が発表している円高対策にも疑問を持つことがある。日本企業に資金を融資して、海外企業のM&Aを支援するという対策が発表されている。しかし、これだと、日本企業が海外での生産ないしは事業活動をますます加速化することにならないだろうか?そうすると国内の雇用はますます失われることになり、何のための円高対策なのかよくわからなくなる。そもそも「円高対策」とは国内の雇用を守るということが目的でなかったか?

政府の円高対策とは全く持ってちぐはぐだ。

 

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