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安住財務相がG20で「不良債権の教訓」説明:日本の国民の前でもしっかりと説明と謝罪を

安住淳財務相が、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、不良債権処理に手間取った日本の「教訓」を踏まえ、欧州は「大きなスキーム」で金融機関の支援を進めるべきとの考えを表明することを明らかにした、という。http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23625320111014

これは、日本で不良債権処理を行った際に「過少な見積りが解決を遅らせた苦い経験がある」というもので、かつて、麻生氏も国際会議で同様の発言をしたこともあるのだが、ある意味、日本の政府及び財務省・日本銀行の誤りを認めたものだ。

欧州の金融当局者に上から目線でもの申すようで、先方からすれば非常に不愉快な発言だろう。というのも、日本の金融問題がすべて解決しているわけではなく(既に失われた20年となっており、このままでは30年となってしまう)、個々の金融機関もさることながら、国の債務残高などを見れば、はるかに欧州の方が状況は良い。また、今回問題となっている銀行の厳格査定の問題も、日本の銀行が厳格に査定されているかどうか、今現在でも、疑わしい。

既に失われた20年という状況なのだが、この元凶となったのが、安住財務相が認めた「不良債権の教訓」であるとすれば、日本の国民にもしっかりと日本の金融当局者の誤りを説明及び謝罪をすべきだろう。

また、日本の銀行について言えば、かつてと中身はまるで変っていない。それは、この20年の間に「大きくて潰せない」という考えを、植え付けてしまったためだ。もうけはすべて自分たちのものにして、後始末は国民に押し付けるということが、続いている。日本の銀行は90年代中頃からほとんど税金を払っていない。2012年度から納税を開始するというニュースが今年に入ってから出ていたのだが、ここにきての金融危機の影響などで、また遅れるかもしれない。

通常、経営が厳しくなれば、従業員の削減や給与・賞与の削減、先のルネサスのように、などが行われるのだが、銀行員の給与が大きく減ったということなど聞いたことがない。

日本の金融当局者が、本当に、「不良債権の教訓」ということを認識しているのであれば、日本の金融機関をどのようにするのかということを本気になって考えてもらいたい。

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