郵政改革法案の現実:法案反対で一番儲けているのは米国企業?/日々雑感:よくわからないこと?!

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郵政改革法案の現実:法案反対で一番儲けているのは米国企業?

郵政改革法案に反対する理由は、米国に日本の富を奪われないため、などとよく言われる。本当だろうか?改革法案が通ると200兆円が米国に持って行かれるといった議論が良く行われている。

しかし、現在、この郵政改革法案がたなざらしにされていることで、一番、利益を享受しているのは米国企業だ。具体的には、がん保険を取り扱う「アフラック」があげられる。かつては、郵政民営化に反対していたのは、日本の銀行と保険会社だった。郵貯と簡保に顧客を奪われるのが怖かったからだ。今も、日本の銀行と保険会社のスタンスは基本的には変わらないが、銀行では一部の地方銀行などの中で、郵貯と提携することで自行の事業を拡大しようという動きも出てきている。保険会社の中でも、例えば、再大手の日本生命が簡保と提携して新商品を出そうとしている。しかし、この動きは、改革法案がたなざらしとなる中で、全く動いていない。簡保にしても日本生命にしても、みずみず新規の事業機会を失っていることになる。

かつてアフラックは在日米国商工会議所(ACCJ)の会頭を務めたこともあり、積極的に自らの日本における事業を守るために活動してきている。現在でも、もし簡保と日本生命の提携が動き出せば、同社の事業は(程度はわからないが)影響を受けることになる。外資から日本国民の資金を守ると言っているのだが、逆に外資企業を守っているという、何とも皮肉な結果になっている。

ちなみに、郵貯や簡保の資金がどのように運用されているかだが、非常に簡単に言ってしまうと負債と資産の特性を考慮して運用先への配分比率が決定される。国内外の資産運用会社にしてみるともっとリスクをとる運用を行い、その資金を受託したいという思いが強いだろうが、全体の規模からすれば、まだまだ限定的のようだ。資金の性格からすれば、株式、海外投資などはALM上ではリスクが高く、配分比率はどうしても小さくなってしまう。米国債を200兆円購入することなどはALMの計算上は絶対に出てこない数字だ。現在はまだ政府の持ち株が多いが、政府が何らかの政治的判断をして、郵貯や簡保に米国債を無理やり買わせるようなことがありうるのだろうか?このような話が流される背景にある意図を理解できていないのではないだろうか?

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